撮影日誌

扶桑町:そとん壁の平屋

愛知県扶桑町にて、小牧市の工務店様からのご依頼で、平屋住宅の竣工写真撮影を行いました。

扶桑町は、玄彩舎の無料出張エリアの中では比較的遠い場所にありますが、名古屋方面からの車でのアクセスは良く、これまでも撮影に伺っている地域です。

今回撮影したのは、そとん壁のやわらかな表情が印象的な平屋の住まい。
火山灰を主原料とするそとん壁は、自然素材ならではの風合いに加え、断熱性や耐久性といった機能面にも優れた外壁材です。光を受けたときの陰影が美しく、建物全体に落ち着いた佇まいを与えていました。

まずは外観から撮影を開始。
建物正面には斜めから光が入り、ごく薄い雲が光をやわらげてくれたことで、外壁の質感や軒の陰影がきれいに浮かび上がっていました。強すぎず、弱すぎず、竣工写真としてはとても良い光の状態です。

夕景撮影では、日中の外観とできるだけ近い位置から撮影するため、屋外用の三脚をそのまま置いておくこともあります。
ただ今回は公道から目につきやすい場所だったため、三脚は一度撤収し、チョークで位置をマーキングしておく方法を取りました。

続いて屋内へ。
リビングは、勾配天井に沿って広がる木の天井材と、間接照明のやわらかな光が印象的な空間でした。大きく取られた開口部には木格子が設けられており、外からの視線をほどよく遮りながら、室内には心地よい光が入ります。

ダイニングには、ベルのようなフォルムが特徴的なペンダントライト。
木の床、造作収納、落ち着いた色合いの家具が調和し、暮らしの場としてのあたたかさが感じられる空間でした。

畳の小上がりには、引き出し収納が設けられていました。
座る、くつろぐ、しまう、という複数の役割を持たせた造作で、限られた空間を無理なく活用する工夫が随所に見られます。今回はその収納の使い勝手も伝わるよう、引き出しを開けた状態のカットも撮影しました。

撮影では、広角で空間全体を見せるカットだけでなく、標準焦点域ややや高い位置からのアングルも積極的に取り入れました。
木格子のリズム、天井のライン、小上がりと窓辺の関係など、この住まいならではの構成が伝わるよう意識しています。

夕景の撮影では、室内と外景の明るさのバランスを整えるため、補助光として定常光を弱く使用しました。
この時季の夕景撮影は19時を過ぎることも多くなりますが、今回は日の沈む方向や雲のかかり方にも恵まれ、外観・内観ともに、素材の表情と空間の穏やかさがよく伝わる撮影となりました。

夕景撮影の進め方や時間帯については、「建築の夕景撮影について」でも詳しく紹介しています。

Equipment
Body: α7RIV / α7RIII / α9II
Lens: TS-E17mm F4L / FE 12-24mm F4 G / FE 24-70mm F2.8 GM
Adapter: MOUNT CONVERTER MC-11

ブログトップへ戻る