撮影日誌

天白区:クリニック竣工撮影

名古屋市天白区にて、デンタルクリニックの竣工撮影を行いました。

外観は、アーチを描く開口と間接照明が印象的です。やわらかな曲線と光が組み合わさり、医療施設としての清潔感を保ちながら、街並みに穏やかな表情を添えていました。

室内はベージュや白を基調とし、明度の近い素材を重ねることで、繊細なグラデーションが生まれています。受付カウンターから待合、診療スペースへと続く色調も統一され、落ち着きと清潔感が自然に調和していました。

今回は、あらかじめ図面とともに、基準となる撮影位置やカメラを向ける方向をまとめた指示書をいただいており、撮影すべき場所を現場で確認する時間を抑え、設計上の見せどころを意識しながら進めることができました。

一方、実際にどこまでの範囲を写すか、カメラをどの高さに置くか、シフトレンズを使用するかといった部分は、現場で判断しています。
同じ位置から撮影しても、画角や高さが少し変わるだけで、カウンターの見え方や空間の奥行き、視線の流れは大きく変わります。指示された場所をそのまま写すだけでなく、その場所から何をどのように見せるかを考えることも撮影者の役割です。

受付から待合、さらに診療スペースへと進む動線についても、個々の部屋を単独で撮るだけでは十分に伝わりません。開口部や廊下のつながりを画面に取り入れ、患者が院内をどのように移動するのかを想像できる構図を意識しました。

クリニックの撮影では、明るく写せば清潔に見えるとは限りません。画面内に不要な重なりや傾きがあると、色や明るさが整っていても雑然とした印象になります。壁やカウンターのライン、家具や設備の間隔を整理し、空間の秩序が伝わるよう構図を整えることも、清潔感を表現するうえで重要です。

また、院内の多くが白や淡い色で構成されている場合、その「白」をどのように表現するかも仕上がりを左右します。わずかに暖かみを残した白、青みを抑えた中立的な白など、施設によって求められる印象は異なります。後処理の段階で判断に迷わないよう、完成写真で目指す色調を事前に共有しておくことが望ましいと感じます。

照明計画も印象的で、光が角に強くたまるのではなく、壁や天井の面をやさしくなぞるように広がっていました。撮影では白を一様に明るくするのではなく、淡い素材同士の違いや、光によって生まれる穏やかな陰影を残しながら、設計の意図する「やわらかさ」を損なわないよう心がけました。

玄彩舎では、名古屋市をはじめ愛知・岐阜など東海エリアで、店舗・住宅・施設の建築写真・竣工写真撮影を承っています。

Equipment
Body: EOS 5D Mark IV / α7IV
Lens: TS-E17mm F4L / FE 24-70mm F2.8 GM