建材メーカーさまよりご依頼をいただき、名古屋市緑区の施設にて、カタログ掲載用の建築写真撮影を行いました。
今回撮影の対象となったのは、金属系サイディングが施工された施設の外観です。
外壁および軒天に用いられた施工箇所を中心に、建物全体の中でその部材がどのように見えているかも含めて記録することが求められました。
印刷媒体での使用を前提としており、誌面レイアウトが未確定の段階であったため、縦位置・横位置の双方で展開可能なカットを意識して構成しています。特に印刷前提でレイアウトが定まっていない場合は、見開きでノドにかかる場合や、小口・天地の裁ち落としによる情報の欠落を想定し、やや余裕を持たせた構図が求められることもあります。
金属系サイディングは、光の入射角や見る角度によって反射の出方が大きく変わり、同じ面でも時間帯によって質感の見え方が異なります。こうした素材ならではのシャープさを保ちながら、表面の質感まできちんと伝えられるかどうかが、撮影上の重要なポイントとなります。
そのため今回は撮影箇所自体は限られていたものの、午前から夕方まで現場に入り、反射の強さ、面の出方、周辺部とのコントラストを見ながら、それぞれの条件に適したタイミングで撮影を行いました。
また、施工部のディテールを単体で切り取るだけでなく、建物全体の中でその部材がどのような納まりを見せているか、他素材との取り合いや、建物全体の構成との関係も踏まえて構図を組み立てています。
広角だけでは必要な情報を十分に拾いきれないため、複数の焦点距離を使い分けながら、全体像と部分の両方を押さえました。
特にディテールや接合部の撮影では、納まりを正確に描写するため、あえて距離を置いて望遠レンズを選択し、遠近パースを圧縮しています。これにより、部材の平行性や形状をより忠実に再現しています。近づいて広く写すよりも、遠近の差を抑えたほうが、実際の印象に近く整理して情報を伝えられるためです。
さらに、金属系の外装材は反射によって色の見え方が変わりやすいため、部分だけを切り取るのではなく、周囲の面や建物全体との関係も含めて記録する場面もありました。
素材の質感を正確に伝えながら、建築としての印象も損なわずに収めること。建材撮影ならではの難しさと面白さを、あらためて感じる一日となりました。
玄彩舎では、住宅や店舗などの建築撮影に加え、外構・エクステリア、庭園、建材の施工事例など、建築に関わるさまざまな撮影に対応しています。
建築撮影の料金や撮影プランについては、料金ページをご覧ください。建材の施工事例撮影など、撮影内容に応じた個別のお見積りも承っています。
Equipment
Body: α7RIV / α9 / EOS 5D Mark IV
Lens: FE 24-70mm F2.8 GM / FE 70-200mm F2.8 GM OSS / TS-E24mm F3.5L