岡崎市にて、設計事務所様からのご依頼により、ヘアサロンの竣工写真を撮影しました。
周囲を緑に囲まれた立地の中、端正なスクエアの外観が目を引く建物。外壁は落ち着いたグレーの吹付仕上げ。エントランスの軒天には、細い平行ラインと金属特有の光沢を持つスパンドレルが使われ、外壁の柔らかな質感にシャープな表情を加えています。
内装は、外観のトーンを引き継ぐグレーを基調としながら、木目や白いレンガ調の素材を巧みに組み合わせた、温かみと無機質さが同居する構成。モルタル調の壁や床、配管や設備をあえて見せる天井がソリッドな表情をつくる一方で、木の造作や樹木の幹を活かした意匠が、空間に自然な柔らかさを添えています。
また、壁で細かく区切るのではなく、天井の高さや仕上げをエリアごとに切り替えることで、それぞれの領域が緩やかに仕切られている設計の妙が印象的でした。
夕景の外観撮影では、グレーの外壁と空との明度差が整う時間が限られます。明るいうちは室内の光が弱く、暗くなりすぎると外壁の質感や周囲の環境が失われてしまいます。
そのため、理想的な空の明度、外壁の質感、そして室内から漏れ出す温かな光のバランスが完全に調和する、わずかなタイミングを待つ必要がありました。
均質な明るさではなく、光の階調と静けさによって空間の奥行きを伝えること。今回の撮影では、その設計意図を写真の中に残すことを大切にしています。
※夕景撮影については、記事「建築の夕景撮影について」でも触れています。
Equipment
Body: α7RIV / EOS 5D Mark IV
Lens: FE 24-70mm F2.8 GM / TS-E17mm F4L