先日、豊田市にて、社屋の竣工写真撮影を行いました。
今回は、午前中の比較的日差しが強くない時間帯に外観を撮影し、日中は休憩を挟みながら内観を収め、日没前後の夕景まで撮影する予定でした。丸一日を見越した撮影です。
建物の正面側には、庇を含む一部が手前へせり出した意匠があり、太陽の位置によって外壁に斜めの影が落ちます。
この影は、建物の立体感を表す要素にもなります。ただ、午前中は明暗差が大きく、影の位置も建物の構成を十分に引き立てる状態ではありませんでした。そのため、担当者様と相談し、外観撮影を午後へ変更しています。
時間を置くことで外壁に落ちる影の位置が変わり、建物の形状や正面部分のまとまりを、より自然に捉えられるようになりました。また、薄い雲が太陽にかかり、直射光がわずかに和らぐタイミングを選んで撮影しています。
また、近い位置から広角レンズで収めると、手前へ張り出した庇が必要以上に大きく写ります。そこで今回は、建物からやや距離を取り、周囲との関係を整理しながら切り取っています。
外観の一部にはアルミ製のルーバーが施されていました。アルミという素材には硬質な印象がありますが、明るめの暖色に塗装されているため、建物全体に柔らかさが加えられています。撮影でも、ルーバーの形状だけでなく、外壁との色や質感の関係が伝わるよう意識しました。
内観は、テーブルとチェア、数点の観葉植物が入った、家具や備品が比較的少ない状態でした。しかし、建物の形状や素材、照明計画を記録する竣工写真としては、十分に成立する状態です。
デスクやテーブルは、天井照明の配置に合わせてシンメトリーに整えられていました。そのため、大きくレイアウトを変更する必要はなく、椅子の向きや間隔などを最小限調整して撮影しています。
会議室には大型モニターが設置されていましたが、正面から撮影すると、室内や撮影機材の反射を避けることができませんでした。
正面のアングルを外す、モニター本体を傾ける、画面に別の映像を表示するといった方法も考えられます。しかし、いずれも室内の構成や設備本来の状態を変えることになります。
今回は、正面性を保つことを優先し、撮影後の処理によって反射を目立たなくする方法を選択しました。
玄彩舎では、住宅や店舗、各種施設をはじめ、オフィスや社屋などの竣工写真撮影にも対応しています。建物の形状や素材、光の状態を確認しながら、設計意図や空間の特徴が伝わる写真に仕上げます。
Equipment
Body: α7RIV / α7RIII
Lens: TS-E17mm F4L / FE 24-70mm F2.8 GM
Adapter: MOUNT CONVERTER MC-11